おはよう、三年目の朝だよ

一人一人をお見送りして、いろんな人生に触れて、「あー、2年も経ったのか」となんだかモヤモヤしています。二年間、二歳だった子は四歳になり、中一は中三になり、体調を崩されていた方も少しずつ回復して、面倒くさかったあの人は優しくなって、一生推すと言っていたあの子はいなくなっていました。応援しています」と言われて、心底嬉しいんです。これは本当にそうなんです。でも、ふと思うんです。何を頑張ればいいんだろうか。

二年間、間違いなくがむしゃらに走ってきました。たくさん成長して、成功させてきたつもりです。しかし、確実に失ったものもあり、そればかりに目がいく自分が嫌なんです。雨が降るとしょんぼりします。肩に一滴、雫が落ちて、一瞬でTシャツが身体にぴたりと張り付いて寒くなります。走れば走るほど、雨は僕を濡らして、身体を重くします。RPGの主人公なら、「この先を進むことはできない」とか「まずはあの家に行ってみて」と教えてくれるのに、僕の人生にはそんなことを教えてくれる名も無きモブキャラはいません。

どこに行きたくて、何になりたいのか、本当にわからないんです。海外は滅茶苦茶しんどくて、それでもホリプロを抜けてまで選んだこの道を否定したくないんです。バラエティ番組は楽しいけど、そればかりだとぽっかり穴が空きます。国内でしっかり認められたいっていう思いが、なんだか地下から湧き出るマグマみたいに沸々と僕の表面を固めていきます。「じゃあ事務所辞めなきゃよかったやん」「まじそれな、笑えないけど」

誰のせいにもしない、間違いなく僕の責任なのですが、なんで無いものねだり、失ったものばかり数えてしまうんだろうか。そんな自分が嫌になります。「許せない奴がいる」っていうメラメラした感情は段々と冷めて、「あの人も実は大変だったんだろうな～、それでも最前線で立ち続けてすごい」ってどんどんつまらないことを考えます。「本当に？全然俺は許せないけど。俺の芝居でトドメを刺してやるって思ってるよ」「え？お前強すぎるって」

ハグをして、笑顔で帰る人たちの後ろ姿に「待って、僕も連れてって」って思いました。そっちの世界に僕も連れてってください。そっちの世界には何がありますか？「リハビリを頑張れました」「仕事を頑張れます」「命を救ってきました」「次は旦那も連れてきます」「幸せになってください」「ずっと大好きです」「手術をしました」「この子もしょーち推しになりました」って、心からありがたいなって思います。泣いてる人がいました。震えてる人がいました。強がってる人がいました。

そっちも大変なんだね、こっちも超大変だよね。いや～、どっちも大変で嫌になるね。また会いましょう。その時、こんなことがありましたよ～って、また笑ってください。どんなことを頑張りましたか？どんな事から逃げちゃいましたか？こんなにいる、こんなに沢山の人が応援してくれてる。イベントが終わり、数日間完全に現実逃避していましたが、やるしかないをやらなくちゃいけないんですね。もっと貪欲に、もっと馬鹿みたいに、もっともっとやらなきゃいけないんですね。

しょーちが、笠松くんが、しょうくんが、頑張ってるからわたしも頑張りますって言ってくれる人がいるから、頑張ります。ダサい仕事とか、しょうもない役だと斜に構えずに、カッコ悪くてもその先にある成功も夢見て、もがいて、足掻いていこうと思います。僕よりも小さい身体で、一生懸命に生きてる人たちに負けないように、ね。

https://youtu.be/rENcB_T1Rrg?si=UKT2pe-xewzlX7l4