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オオノクンとカサマツクン



三寒四温の三の部分から抜け出せず、クローゼットにしまったコート類はまだまだやる気を滾らせている。少し肌寒いけど、「ま、いっか」で何とかやり過ごしている。朝起きると二人の妖精が引っ付いていて、それだけで大きな幸せを感じる。「動かないで」ってそっと近付くんだけど、すぐにバレて「何撮ってるの~?」ってこっちに寄ってくるから、画面の半分に近づいて来てる写真ばかりになっちゃうね。一緒になって、もう4年なんだね。



小学生の頃の僕は欲しいものがとにかく我慢できず、どうにかしてでも手に入れたい、そんな子供であった(欲しいものをとにかく手を入れるという意味では今も変わらずか)。その頃はサッカーが流行っていて、サッカーボールがどうしても欲しかった。僕の家庭は、スポーツの経験者が居なかったので、例えば私服とかも、(ジャージなどではなく)ちゃんと洋服を着ていた子供だった)。僕はジャージを着ている同級生が羨ましかったし、サッカーのトレーニングシューズなんて履いている子が居たら、目を輝かせてそれを見ていた。


「ボールが欲しい」なんて言っても、もちろん誰も相手にせず(誕生日でも何でもないからね)、僕はひたすらにギャーギャー騒いでいた。親戚の集まりでもそんな感じだから、親戚の一人のおばさん(母方のおじいちゃんの妹かな?たしか)が後日サッカーボールを買ってくれた。すごく嬉しかったし、沢山遊んだんだと思う。コンクリートでボールを蹴っていたもんだから、表面はすぐにボロボロになって、結局あのボールがどうなったのか分からない。


おばさんは僕たち親戚に一同に「ねーね」と呼ばれて(呼ばせて)いた。「おばあちゃん」というのが嫌らしく、いつまでも若々しく居たいという思いの表れなのだろう。ねーねはずっとオオノクンの話をしていた。当たり前みたいに親戚の会話でオオノクンの話をする。僕はオオノクン会ったことはないけど、何だから彼のことを知っているような気がしていた。どんな顔で、どんな人なんだろう。それから数年が経ち、僕は国民的アイドルグループであった嵐の番組に出演した。ねーねから母に連絡があり、オオノクンと共演したことを喜んでいた。この時初めて、オオノクンというのが嵐に居る人の名前だと知った。


去年、ねーねが自宅でぶっ倒れてすぐに入院しだと聞いた。中々回復がうまく行っておらず、入院生活は続いているという。会話も難しいみたいで、「お見舞いに行こう」と連絡すると「様子を見て驚くかもしれないけど、少しずつよくなってるから心配しないでね」と言われた。「ショウが来てくれるときっと喜ぶね」と言ってくれた。病院の人達に僕の事を自慢しているらしい。嫌なリハビリも、僕がお見舞いに行くと連絡した日から頑張っているらしい。「カサマツクンがテレビに出てましたね」とそんな話をするのが楽しいらしい。すごくありがたいけど、病院に行って、みんなに紹介したいと言われても、何だかな~って気乗りしない部分もあったんだよね。


看護師さん達も、会話の流れとか関係性で僕の存在を肯定しているだけで、なんか、それで勘違いして写真とか握手とか、逆に関わらないとなんか冷たくて天狗ですってお決まりのパターンですよね、これ。


目を閉じて、深く息を吸って、目を開ける。


まあ、国民的アイドルと並べられるとちょっときついけど、あ、はい、一応、芝居やってます、世界で。




 
 
 

33 Comments


じゅり
じゅり
Apr 03

ねーねの自慢のカサマツクン!!!

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migawa
migawa
Apr 02

笠松さん、ねーねに会いに行ってほしいな。

一週間前に義父が急逝したのですが、その前の数日間ずっと気になっていたのに連絡しなかったことを悔やんでいます。

サッカーやオオノクンの素敵な思い出をくれたねーね、元気になってほしいです。


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ika
ika
Mar 31

嫌なリハビリもしょーちがお見舞い来るから頑張ってるって…いいですね😊

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lee
lee
Mar 31

최고의 인간이다.

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みかん
みかん
Mar 31

カサマツクンがお見舞い来てたらそわそわしちゃって仕事になりませんな🥰

世界のカサマツだもの🥰❤️

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