六本木をふらふらと歩きながら、街路樹に突っ込んで身体の半分が茂みの中に埋もれた。目の前は真っ暗で、痛みとか恥ずかしさはなく、ただただ身体を起こす事だけを考えていた。「財布と携帯…」と、こんな状況でも持ち物確認を頭の中でしていた。真っ白のパーカーが左半身だけボロボロになっている。小さな葉っぱや砂利がついていたりしたけど、一生懸命、何も考えずに前に向かって歩く事だけを考えていた。深夜3時過ぎの東京は、少し雨が降っていて、人通りもなく、静かで気持ちが良かった。
top of page
bottom of page