最終日、色々な出会いと別れ
- 笠松将

- 5月25日
- 読了時間: 4分
本日撮影最終日です。東京を離れ数週間、いろんなことを学ぶことができました。何よりも芝居って、とても純粋で、脆くて、力強くて、楽しいものなんだということを知りました。猛暑の日があり、大雨の日があり、晴れて欲しい日は曇りで、そういう天邪鬼な撮影の神様とも沢山お話ししながら、僕は僕なりのスピードで、多くの人に理解されるわけではないけど、それでも少数の大切な人たちに向けて芝居をしています。そんな期間でした。

韓国のブイログでもみなさんご覧のとおり、最初はカルチャーショック(どの作品でも監督ごとに違いますが)を大きく受けました。しかし、それはお客さんの視点に立った時、より高いレベルのエンターテイメントがそこにあると確信して、僕は文句を言いながら、そして文句を言いながら、少し休憩して文句を言いながら、身体に切り傷と擦り傷を増やしながら、今作に挑みました。足場は不安定で、たくさんのストレスがありました。
演出部を集めて「もっとこうしてくれ」とオーダーを出しても、なかなかうまくは行きません。爆発寸前のストレスで、メイクも落とさず誰にも挨拶せずに帰った日もありました。その夜は全然眠れなくて、自分の非力さと、たかが作品一つに対する思いが大きすぎることに対する自分への疑いと、じゃあどうすればいいの?とぐるぐるぐるぐる頭を回るばかりです。何度寝返りを打っても夢の中へはいけず、もしもっと力があれば、カリスマ性があればと、何度も起きてはタバコを吸いました。
朝起きて、「昨日はすみませんでした」と寄ってくるスタッフたちに僕は差し入れを買いました。頑張ってるのはわかる、いろんな正義が交差して衝突してるんです。楽しいだけでいい作品は作れないんです。これは僕の持論ですが、僕には僕のやるべきことがあるのです。

「この作品が」ということではなくて、全般的な疑問でいつも思うのです。芝居ってなんだろう?作品ってなんだろう?垂れ流されたエンタメは、一滴の水のように、集めって川となり、海に流れて、何のありがたみもなく消費されていきます。芝居よりも挨拶、芝居よりも髪型、芝居よりも人間関係、芝居よりも芝居よりも芝居よりも。じゃあもう、俳優ってなんなんですか?
「サッカー選手になりたい」と、僕はメイクさんに唐突に言いました。「サッカー選手になるには遅すぎるよ」とメイクさんは笑いました。サッカーが下手でサッカー選手って居ないでしょ?サッカー初めてやるサッカー選手っていないでしょ?でもそれが成立するのが僕たちの世界なんです。それが悔しいんです。俳優は、プロの俳優なのに。「ショウは俳優が一番いいよ。演技してる時、ショウの周りの空気だけ色が変わる気がするの」「そう言ってくれて嬉しいけど、まーねー。。。」

そんな中、とあるラーメン屋さんで僕たちは撮影をしました。店主であり社長がそのまま作品に登場するということが急遽決まり、簡単なセリフが追加されます。助監督が「練習しましょう」というと「俺は何年この店やってると思ってんだ、やれるよ!」と怒っています。よーい、スタートでカメラが回り、僕らの芝居の終わりに社長の簡単なセリフのタイミングです。「あ、あの、あ、あ、あ、お、おまえら。。。」と全然セリフが言えない社長。僕は大笑いで、「ねー、全然言えないじゃん!練習いらないって言ったのにー!!!」と声をかけます。「いやー、緊張するもんだな~」と彼は言います。

タバコを吸っていると社長が来て、「兄ちゃんすごいなー、難しいもんだな~」と言われました。「おー、そうだよ!難しいことを簡単そうにやるからプロなんだよ、俺プロだから!」と言って、お母さんも呼んで写真を撮りました。その社長の作るラーメンは、お世辞抜きでとても美味しくて、僕は撮影中に二杯も食べました。プロの作る本物のラーメンです。そのことを伝えると社長は喜んでいました。
この世界には本物と偽物と、本物っぽい偽物と、どー見ても偽物と、まー、ほとんど偽物なわけですよ。その中でも特に、芝居ってわかりづらくて、評価されづらいものだと感じます。そして改めて伝えたいのは、僕は本物になりたいのであって、ホンモノである自身はまだありません。
世界中回って、たくさんの俳優たちと芝居をしてきました。これからもそうだし、そうしていきたいと考えています。その誰に学ぶ事もできなかったことを社長は知っていたんですね。面白いですね。

「簡単そうにやるよな~、にいちゃんすげ~な~」
「おう、俺、これを本気でやってるから。社長のラーメンと一緒だよ」

どんな作品でも、一つ一つ細かいところまでこだわって、いい作品にしようと取り組んでる笠松さんが1番かっこいい✨😭
笠松さんの1つ1つの言葉が心に沁みます🥲
これからも本物を目指して頑張ってください‼︎♡
応援してます📣✨
やばいブログ気付かなかった😂
笠松さんの芝居にかける思い、すごく伝わってきました🤍✨これからも笠松さんらしく、応援しています!💕
いやはや〜、かっこいいですよ、しょーち。いや、将さま😆
しょーちはね、引き込まれるんですよ!!🥺❤️言葉でうまく説明できないけど。
コメント遅くなっちゃった😗
どの世界でもホンモノになるってすごいことだよね、、
確かにサッカー選手とか大谷翔平とかオリンピック選手とかって、極めて極めて極めた先でやっとプロになって初めて得られる職業で、むしろこっちのほうが珍しい?のでは??
私の仕事もそうだけど、資格はあれど現場に立つのは就職してからが初めてで、それなのに初日から「プロ」として扱われるしそうでなくちゃいけない責任も重たくて。働きながら、経験つみながら、汗と涙を流して少しずつホンモノに近づいていく。その職業への思いが強いほど、テキトーにプロデビューしてくる甘ったれたちが許せなくて苦しくなる。楽しようとする人が報われて、真っ直ぐ頑張る人が損をする。もう辛くて辛くて。でもそこで逃げたらその甘ったれたちに負ける気がして絶対に負けたくない。
その分、頑張って少しでも結果がついてきた時の喜びとか、達成感が得られる瞬間が最高で、またもうちょっとやってやろうって気になれる!
私もこの道でホンモノになるよ。しょーちも俳優の道でホンモノになって。頑張ろうね。
ふうラーメンより熱くなっちゃった🍜