清純派新人グラドルのワンシーン

2月11日

若い頃、クランクインとクランクインが一緒（一日だけの仕事）みたいなことは珍しくなくて、そういう仕事を数こなして生きていたことを思い出した。メインのキャストがとにかく眩しくて、あっち側にいつか行きたいとか、そんなことを思ってガムシャラだった。日本に帰ってきて、僕はずっと寝込んでいた。緊張感からの解放とかそれっぽい理由はあるのかもしれないけれど実際は、とても寒かったから、だと思う。今日の現場は風が強くて、とても寒かった。

以前、大変な仕事を共にやり切った監督からオファーがあった。一日だけ（ワンシーン）の役なのだけれど…、と言うことだったがこういうのは嬉しい。大切にしたくて、僕は二つ返事で参加させてもらうことになった。「ちょっと行って、久しぶりに顔見れたらいいな〜」なんて思っていたのが甘かった。結構喋る。難しい。しかも撮影の二日前に大幅のセリフ変更、改訂版が届く。ドキドキした。これって、自分にできるのだろうか、失敗したら…。

現場に到着して衣装合わせをする。監督ともお話しするが、役についての話し合い、と言うよりは「元気だった？」とかそんな会話がほとんどだった。とにかく、一日だけの僕がご迷惑をおかけしてはいけない、と言う気持ちで、どんどん緊張感が高くなる。こんなこと二十代の頃はへっちゃらだったのにな〜。150名の通行人のエキストラの皆様と共に、本番が始まる。なんとか無事にやり終えて、クランクアップのお酒まで頂いてしまった。とてもありがたいけど、とてもお恥ずかしい。もう本当に、お構いなくで大丈夫なのに。

さて、先日はBOSSさんのアンダーウェアの撮影をさせていただいた。タンクトップを着用しての撮影だったが、現場も盛り上がり、ここは文字通り人肌脱いでみるか！と上半身を脱いで撮影した。現場はそれなりにいいリアクションをしてくれたのだけど、写真をチェックさせてもらうとなんだか恥ずかしい感じがして…。中途半端は筋肉と、謎に肌が綺麗なのも、照明やセットも妙にヘルシーで、なんだか新人グラビアアイドルのようだった。やだ！パパとママに見せられないっ！！あたち、お嫁にいけないっ！！！（写真はお外に出さないでね！！！）

そんなアホみたいな独り言を脳内再生しながら、家に帰って僕は誓った。もう三十をしっかりと超えてしまった。改めてちゃんと鍛えて、ちゃんと健康な心身を作らなければいけない。パーソナルトレーナーをやっている弟くんに連絡して、基本メニューと頻度と強度。僕が日本にいる間、ジムでのマンツーマンの指導もお願いした。もう一回ちゃんと見つめ直そう。立ち止まり、振り返り、考えて、選び直そう。それがきっと、これからの人生で大切なことになると思う。