狂気に満ちた西川毅とLVさん

一気に涼しさが押し寄せています。気候の変化に洋服が対応できず、店内は暑く、外は寒いを行ったり来たり。もう三十年以上も生きているはずなのに、生きるのは難しいですね。先日やらせてもらったお仕事「SWAG HOMMES ISSUE２０」の情報が出始めております。これは特別番の表紙と16ページの中身を担当させてもらい、ルイヴィトンさんとコラボさせていただきました。まさか自分の人生で、ルイヴィトンに「さん」付けする日が来るとは思いもしませんでした。更に驚いたのは、ファッション業界の人々は彼らを「エルヴイさん⤴️」と呼ぶんですね（イントネーション含め良きです）。

僕はというと、普段自分の仕事は見返さないのですが、「事件はその周りで起きている」に関しては何度か見直してしまいます。なぜか、謎の中毒性があるんですよね〜（手前味噌でごめんなさい）。皆さん、見ていただけていますでしょうか？毎話15分ですので、皆様のお手間を取らせずに楽しんでいただけるかな〜と思っております。登場人物含め、監督からプロデューサー、脚本家まで、全員曲者揃いです。

NHK大人気コント番組「LIFE!」を監督する西川さんのエピソードをふと思い出しました。

時系列を整理しますと、去年の秋、ちょうど今頃に僕はポケモンドラマの撮影を終えて、ガンニバル②の前に、「事件は〜②」の撮影に合流しました。シーズン①から時間も空いていますから（僕の場合事務所独立もしていたり）、変な緊張感があったんですよ。共演者との挨拶もほどほどに、当日は本読みをする段取りでした。このタイミングで台本に対する疑問点などを話し合って〜、みたいな時間なのですが、本読み後、監督からの謝罪が始まります。

「シーズン①ですが、皆さんのテンポ感読み違えてしまい、尺（時間）が足りませんでした。なので、台本の文字数を数えたら一文字○秒でしたので、今回はその文字数で調整しています。一話あたりのボリュームが増えていますが、ご安心ください（淡々と）」

僕は隣の小芝さんとチラッと目が合った気がしましたが、「あ、了解で〜す」と返事をしました。続けて西川監督は、「今回、新たな場所が登場しますが、警察署の外観と設計図と照らし合わせて、建築の観点からも矛盾のない作りとなっていますので、そちらも併せてご確認ください（淡々と）」と一級建築士だけが描けるようなバカでかい設計図を指しながら。

チラッとまた小芝さんと目が合い、彼女の口元が少し緩んだので、僕も思わず吹き出してしまいました。「お〜なるほどなるほど〜。西川さん〜、これって見ている人わかりますかね〜、部屋の位置関係とか〜」と敬意を込めて。「いえ、絶対に分からないと思います。気持ち悪いんですよね、ちゃんとしていないと」と西川さん。「セリフの文字数は一つづつ数えたんですか？」と小芝さん。「そうですね、シーズン②ではこのようなご迷惑がないように尽力させていただきました」と西川さん。また僕たちはお互いに目を併せて、大笑いした。もちろん読んでいる皆さんは理解してくれていると思うが、これは決して馬鹿にしているわけではない。大真面目に、ヘンテコで、とても面白かったのである。更には面倒くさくて、最高に愛おしいじゃないか。頭が良いんだか悪いんだか、もう分からなくなってしまう。

「西川さんって、変な人ですよね」と僕が言うと、「そうでしょうか？そうですか？」と西川さん。

現在は、コント番組になかなか予算が降りず、どんどんと縮小していく中で、彼はずっとコント一筋で生きている。完全に異端である。そこらのド派手な映画監督よりかは遥かに尖り散らかした監督である。更に恐ろしいのは自覚がないことで、コントやコメディが大好きなのだと言うのが一緒に仕事をしていてビシビシと伝わる。すごいな〜。

ま、難しいことはさておき、ドラマを楽しんでもらえたら嬉しいなと思います。シーズン②も宇多川くん、炸裂しております！改めまして、少し肌寒い季節に突入しておりますので、お出かけの際は羽織るものを一枚、カバンに入れておいてくださいね。

https://youtu.be/dHfZ86j1ZLo?feature=shared